6秒間の軌跡の続編を見て感じたこと

映画ドラマ関連

以前、高橋一生氏主演の土曜ナイトドラマ、「6秒間の軌跡ー花火師望月星太郎の憂鬱ー」を視聴して感想を書いたが、続編も視聴したのでその感想も書きたいと思う。

以前の感想はこちら

タイトルは、「6秒間の軌跡ー花火師望月星太郎の2番目の憂鬱ー」
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淡々と繰り広げられる会話劇

このドラマは、ほぼ望月煙火店内で、淡々と会話を交わしていくだけの物語で一見退屈そうな印象も受けるが、なぜか見てしまう。同居人の水森ひかりや幽霊である父親に痛いところを突きまくられている星太郎を見ているとまるで自分が言われているような感覚になってくる。それがこのドラマの魅力なのである。

※ここから先は、私がドラマをみて感じた感想をかいております。ネタバレも満載ですので、未視聴の方で、ネタバレを知りたくない方は、ここで、お引き取りください。

相変わらずウダウダな星太郎

コロナ禍を超えて、久しぶりに花火大会を開催するも新聞や雑誌の取材で思ったように取り上げられずまたやらない理由を並べて仕事をしなくなってしまう星太郎。この辺りは、前作と変わってねえなと思うところであるが、世間が話題性だけで彼を取り上げて持て囃すことに嫌気がさしてしまうという気持ちは分からなくはない。

私も取材をされて言ってもないことを勝手に書かれたりしたこともあるので、それだけでモヤモヤとして折れることもあった。

しかし、流石に星太郎のように仕事のやる気まで無くして放棄するということはなかったが。

変化を恐れる彼に降りかかってくる大きな変化

ただでさえ、家に引きこもって変化を恐れている保守的な星太郎の元に、彼に憧れているという野口ふみかがやってきて住み込みで働かせてほしいと頼み込んでくる。
彼女自身の思惑は、最後までよく分からなかったが、それは本人にもよく分からない衝動なのだろうと思う。(なんだか考えるよりも先に突っ走っていくタイプのようなので汗)

純粋な思いをぶつけてくるので、つい信用して花火の配合室に彼女を入れてしまう。
野口の花火の配合レシピを盗むという事実は窃盗で犯罪であるが、そのことで星太郎は大きく変わってゆくのである。

ひかりの言葉

花火のレシピを盗まれたなんてとんでもない!野口はやってくれたな!と私も星太郎と同様に憤ったが、同じ花火の配合でも作る人が違ったら全く同じものにはならないのではないか。

湿度や温度、使う材料も時代と共に変わるのにずっと同じ配合なのはおかしいのではないか?

というひかりの言葉を聞いてハッとした。確かにそうだ。

ある手芸作家さんが、作品の型紙を公開していたので、こんなことをしたら真似され放題じゃないですか!と指摘されたらいくらこの型があったとしても、鋏を入れる方向や縫うコツなどがわかっていなければどんなに頑張っても真似できないんだという答えたというエピソードに感銘を受けたことがある。

永年使ってきたレシピだって時代に合わせて変えてアップデートしていかなければ時代についていくことはできないのではないか?

だとしたら、(窃盗という事実は断罪されるべきだが)古いレシピを盗まれた事実なんて大したことではないのではないか?それに気づいたからこそ、星太郎も前を向いて新しいレシピを考案することができたのではないだろうか。

そして、なんと新考案したレシピをホームページ上で無料公開してしまう。
その理由は、自分の花火の紅レシピを見て更に改善してより良いものを作ってほしいという思いからだった。目先の利益ではなく、花火発展に貢献する。ずっと先の未来を見つめることができた。

コントロールできない未来をやたらと不安がるのを止めた星太郎の素晴らしい成長である!

この星太郎の決断は、VHSを開発指揮したビクターの高野さんを彷彿とさせるものがあった。高野さんも開発したVHSを他社に無料で貸し出している。その結果、VHSは世界規格にまでなったのである。

プロジェクトXー挑戦者たちー 窓際族が世界企画を作った

アンコール放送は終了したが、こちらの作品はソフトは、VHSのみ存在しているので、興味がある方は見てほしい。

星太郎のかけがえのないパートナー

そんな大事な気づきを教えてくれた水森ひかりであるが、彼女は星太郎と同居はしているが恋愛も結婚もしていない。しかし、ウダウダと話している間に彼女はいろんな道標を示してくれる。

花火のセットも彼女でなければうまく花火が開かない。

だからそういうことも含めて水森さんじゃないとダメなんだよ

となったのではないか?

恋愛や結婚をしなくても素晴らしいパートナーは得られる、子供を持つことを成さなくても技術は継承できる。この二つに気付かせてくれたことは、やはり大きなことではないだろうか。

劇的に何かが変わったわけではないが、星太郎は確実に成長している感じる。もういい歳だけど人はいつだって成長できる。生きているうちに成長できるから生きている甲斐が少しはあるものだと強く思う。

またさらに続編があれば期待したいです!ありがとうございました。

この作品にソフトは存在しないので、もう一度見たい方は、先にご紹介した公式サイトで見逃し配信をご覧ください。

サントラはあるのでよろしければ聞いてみてください。主題歌もおすすめです。

「6秒間の軌跡ー花火師望月星太郎の憂鬱ー」サウンドトラック
左が1、右が2のサントラです。

主題歌 6秒間の軌跡ー花火師望月星太郎の憂鬱ー(こちらは1の方です)

6秒間の軌跡ー花火師望月星太郎の2番目の憂鬱ー 泣いても笑っては配信のみのようです。

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