今もまだハンドメイドブームは収まらず、むしろ定着していると思う。
その上で、私が気になっているのがハンドメイド作品の価格設定である。
ハンドメイド品の価格設定は、安すぎるのでは?
私も10年前から、ハンドメイド品を製作していたが、その時から気になっていたのは、周りのハンドメイド品の価格の安さであった。
どの作品も、300円からどんなに高くても2000円前後で買えてしまうものばかりだった。
中には、ものすごくクオリティーが高い商品もあって驚愕することもあった。
ハンドメイド品の価格設定方法は、一般的に考えると「材料費+時給+技術料」などを上乗せして決めているのだろうが、学生さんや主婦の人、副業でハンドメイド製作をしている人の中には、其れさえもあまり考えずに適当に価格を決めている人もいる。
「手ごろな値段じゃないと売れないからなあ」とかそういう安易な考えで1000円とか1000円以下の価格設定にしてしまっているのである。そういうことをしていると何が起こるか。
価格崩壊は、ハンドメイド作家を追い詰める
そもそも、ハンドメイドで商品を作って売るということは、制作スキルは勿論のこと、売る場所を自分で見つけて、営業するスキル、そして店主としてのスキルがあるということになる。
その上、当然のことながら、ハンドメイドは大変手間暇がかかるものである。
人様に売れる作品を作れるようになるまでの時間と労力も計り知れないくらいかかっているはずだ。
そういうことを踏まえての人件費で考えないと自分が損をすることになる。
こういうことを言うと、「あくまで副業だし、金儲けしてるわけじゃないから!」とか謎の謙虚さを持ちだしてくる人が居るが、本業からすれば実に、有害なのである。
ハンドメイド界で、安価な価格設定をしまくって、価格崩壊させていれば、本業で食べて居る人からすれば死活問題になるのである。
「何言ってんの?良いものは高くても買うでしょ!」とか言う人もいるけど、ハッキリ言って甘い。
物と質が似たようなものなら、安い方買うのが消費者である。
良い例がある。タングルティーザーという髪の絡みを簡単に解してくれるヘアブラシが大変流行したが、すぐに百円均一店が、類似品を100円で売り始めてしまった。
質と形は、本家と微妙に違うがほとんど変わらない。
本家のブラシの値段は、1000円から2000円ほどである。
これなら10倍くらい値段が安い100円の類似ブラシを買うだろうと思う。
中には、類似品を作って儲けるなんてけしからん!と言って本家を買う立派な人もいるだろうし、安価な偽物を買うことが業界の首を絞めることになるとしても、大半の人が、安い方を選ぶのが現実であろう。(そうなってほしいと願っているのではなく、実際に起きている事実を言っているだけである。)
安価な価格設定にしていると自分の首を絞めることにもなる?
このように、価格破壊行為をしてしまうと、本業でハンドメイドに取り組んでいる作家は大迷惑である。何でも繰り返すが、死活問題になってくる。
中には誰にも真似できない唯一無二の作品を作りだしている人もいるが、高ければ似たような作品で妥協してしまう消費者だって居る。
高級ブランド物の偽物を買ってしまうひとがいるのだって、結局そういうことだろう。
高級品を販売しているブランドは、そのネームバリューで高値をつけているのであるが、それだってそれなりに、プライドがあるから高いのである。
マルチなスキルを持って居るにも関わらず、安易な気持ちで価格破壊されてしまってはハンドメイド作家を追い詰めるだけでなく、ハンドメイド界自体の経済効果を下げてしまうことになる。周り周って自分の作品の価値もドンドン下がってしまう。
ただでさえ、日本では何故か好きなことをしてお金儲けすることを「悪」だと思いこむ傾向がある。
好きなことをして生活をすることを「ズルい!」などと嫉妬する人まで出てくる。
自分も同じように好きなことをして稼ぐ勇気がないからだろうか?能力がないからだろうか?
嫌な会社勤めをしているのに、あいつは好きなことで稼いでいる!むかつく!といったところであろうが、それは自分に勇気と能力がないだけで、活躍している作家さんには全く関係のないことである。
少し話が逸れたが、本当にそれでいいのだろうか?
ハンドメイド作家の中にも、同業で、この人素敵だなと思っている作家がいるだろうと思う。
自分損するだけならまだしも、その人が苦しんでいても平気なのだろうか?
ハンドメイド作家は、自信を持って値段をつけてほしい
私なら、推している作家さんが苦しんでいたら悲しいし、どうにか助けたいと思う。
推しの作家さんを苦しめないように、まずは自分からハンドメイドの価格を見直して、自分は凄いスキルを持っているのだと自覚して、もっと自信をもって価格設定をしてほしいと切に願う。
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