最近、昔のモノクロ写真をカラーにする運動が流行っている。
SNSなどで、戦前の写真や昭和の写真など昔の写真に色を付けて当時の臨場感を出す試みがなされているのであるが…
カラー写真が当たり前の世代の中には、モノクロだと分かりにくい、色が想像できない、モノクロ自体が古臭いと言うイメージで、拒否反応を示す人が少なからずいるのであろう。
そうした人達に抵抗感なく見て貰うためにカラー化があるのかもしれない。
過去の情景や人物が、カラーで甦るのも美しいと思うし、資料としても貴重であるとは思うが、無断転載されているものも多いらしい。
私が一番モヤモヤとしているのが、撮影者がカラー化を望んでいないの場合もあるのでは?ということ。
例えば、私のこの写真は、モノクロだからこそ良いと思っている。
モノクロ作品はコントラストがハッキリしているので、白と黒だけで、印象的な画が表現が出来るからである。
その意図を無視して、とにかくカラーがいいから!と、勝手にカラーに変えられたらハッキリ言って不愉快だ。
昔の写真も映画も白黒を前提に撮った作品も多数ある。
モノクロしかなかったからこそ、モノクロの色を最大限に活かして作品を作り上げているのだ。
しかし、過去の写真を撮影者の証言を元に色を付けて資料として後世に遺すという試みも否定はしない。撮影者もそれを望んでいて、後世に写真の色を示して継承してもらうことは、意義のあることだと思うからだ。
モノクロ写真や映画をカラー化する動きが流行っている中で、敢えてモノクロを選んだり、モノクロに思い入れを持って製作されたものもあるんだということを少しでも知っていただけたらいいなと思う。
そういう作品は、無理にカラー化せずに、モノクロのまま鑑賞することが制作者への敬意を払うことになるのではないでしょうか?今一度考えていただけるとうれしいです。
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