神社

連載小説

生命の沙汰(12)

「よう、いらっしゃったな。神田美栄子殿」と頭上から落ち着いた老人のような声が聞こえた。「え?」美栄子が、声の主の方へ目をやろうと、頭上を見上げると…高い木の上から、老人が飛び降りたかと思うと、クルクルと回転しながらスタッと地上に降りてきた。...
連載小説

生命の沙汰(11)

美栄子の目が覚めると、いつもの見慣れた天井が見えた。美栄子は、ぱちくりと瞬きをしてから頭を横に向けると、そこには神木と英子が手を繋いでコクリコクリと、お互いの頭を寄せ合って居眠りをしていた。(あれ…なんで二人とも此処に?)とぼんやりとした頭...
短編集

海の下のお社

すっかり満潮になっているだろうと思った。ものすごい風が吹き荒れていて、とても寒い冬の日だった。美栄子と英子は、伝説の神社へ行って参拝をし、人魚のご加護をもらうのが師匠からの使命だった。二人がほうほうの体で、そこへ辿り着くと、大きな海が広がっ...
恐い話まとめ

誘いの封筒

これは、怖い話です。苦手な方は、ここでお帰りください。今日も、ここで待ちぼうけだ。一体いつまでこんなことをしなければならないのか?男は、うずくまって頭を掻きながら、項垂れてため息を吐いた。あれは、暑い夏の日の旅路でのことだった。道端に、黒い...
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