連載小説

生命の沙汰(5)

「徳かあ…」神木が、腕組みをしながら考え込んだ。「ん?」美栄子は、頬杖をつきながら神木をチラッと見た。「いやあ、僕そんなにいいことしてないなあって思って。」神木が伸びをしながら答えた。「そうなの?」「んん、母にもそんなに孝行な息子じゃなかっ...
連載小説

生命の沙汰(4)

「それは?」神木が固唾の飲んで尋ねた。「うん、その差配する偉い人に、お金の正体が何なのか口止めされてんのよ。下界の人間に知られちゃまずいことなんじゃない?いいことが起きる方法を知られるってことは、それを逆手に取って悪用も出来ちゃうってことな...
連載小説

生命の沙汰(3)

ー後日ーそれから神木は、何となく美栄子の店に行きづらかった。大変な状況の上に、デリケートな事に触れてしまい、自分の頼み事をするなんて非常識じゃないか?とぐるぐると考えつつ、美栄子の店の前を行ったり来たりしていた。すると、プルルルルーーー♪と...
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